病院長あいさつ
病院長よりごあいさつ
昨年は、大変な年でした。なんといっても、東日本大震災とその津波による東電福島原発事故です。あの津波のものすごさは筆舌に尽くしがたく、被災された方々には衷心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興を祈念いたします。災害は大震災に止まらず、異常気象による大洪水、山崩れも世界各地で大きな被害を起こしました。台風12号による紀伊半島の豪雨もそのひとつで、山間の集落で多くの方々が被災され、また世界遺産の熊野古道が壊滅的被害を受けました。一方、世界ではチュニジアで起こった民主化運動(ジャスミン革命)に端を発した“アラブの春”が嵐のごとく吹き荒れ、民主化運動がエジプトなど他のアラブ諸国へも広がって、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンで長期独裁政権が次々に崩壊しました。そのほかにも反政府運動が飛び火し、数々の政変や政治改革を引き起こしました。そして、もう一つ想定外の大事件が、ギリシャの国家財政の粉飾決算(2009年)が明るみ出てヨーロッパ各国に広がった欧州金融危機です。ユーロ圏だけでなく、アメリカ、イギリスにも影響が及び、リーマンショックに匹敵する世界金融危機の状態に陥ってしまいました。
いい話が一つもない2011年でしたが、近畿中央病院では幾つか明るい話がありました。4月から第四次中期計画を施行開始しましたが、この計画にあたっては、全職員が参加する形で「近中グレードアッププロジェクト」を立ち上げ、約1年かけて作りあげたもので、各部署、各診療科から280あまりの計画・目標が提案されております。2010年度の決算(2011.6.に確定)で1億円の黒字を達成したこともあって、職員のモチベーションも高く、第四次中期計画の初年度としては好スタートを切れたと思います。また、もう一つのトピックスは地域医療支援病院の認定を受けることができたことであります。紹介率60%、逆紹介率80%という年間実績が評価されて知事の承認を頂いたのですが、この実績はひとえに地域の先生方のご支援の賜であり、衷心から感謝申し上げる次第です。その他、地域がん診療連携拠点病院の指定を更新いたしました。
2012年は野田政権が実質評価される年になると思います。TPP参加への実質的審議がなされ、社会保障・税一体改革の内容が明らかになるでしょう。消費税増税の実行計画が策定され、診療報酬と介護報酬のダブル改定がありますし、医療ツーリズムのあおりも受けることになるでしょう。TPPの交渉次第では、混合診療が全面解禁され、公的医療保険の給付範囲の縮小がおこり、株式会社の医療機関経営への参入を通じて患者の不利益(A.医療の質の低下 B.不採算部門からの撤退 C.公的医療保険の給付範囲の縮小 D.患者の選別 E.患者負担の増大)が拡大し、医師、看護師、患者の国際的な移動による医師不足・医師偏在に拍車がかかって、地域医療の崩壊がさらに進むと言われております。少し極端ですが、世界に誇る日本の皆保険制度がつぶれてしまうと言う意見もあります。
このように、2012年は世界経済危機の中、医療界においてもパンドラの箱が開かれる年になるかもしれません。我々医療者も、強い信念を持ち、患者・市民のため粉骨砕身して健全な医療提供体制を堅持する覚悟が必要だと思います。

基本方針
- 時代の要請を的確に把握し、職域及び地域のニーズに応えるべく努めます。
- 急性期医療を担う中核的病院として、外部組織との医療連携を能動的に推進します。
- 快適な療養環境のもとで、優れた医療を効率よく提供します。
- 患者の個性、人権、権利を尊重し、一人ひとりのニーズにきめ細やかに応える医療を追求します。
- 職員の教育と人材育成に努め、研究を推奨します。
- 病院の運営情報を開示して、職員間のコミュニケーションを図り、改革志向の強い病院とします。
平成18年7月1日
職業倫理要綱
- 医療を受ける人びとおよびその家族の人格を尊重し、その立場に立って心温かく接するとともに、医療内容やその他必要な事項についてよく説明し、安心感と信頼を得るよう努めます。
- 医療を受ける人びとおよびその家族のプライバシーを尊重し、職務上の守秘義務を遵守します。
- 最新・最良の医療を提供するために、知識と技術の習得に努めるとともに、その進歩・発展に尽くします。
- 職務の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるように心がけます。
- 職員相互に尊敬し合い、良き協力関係のもとに医療を行います。
- 医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会に貢献するとともに、法規範を遵守します。
平成18年4月27日
臨床における倫理に関する方針
- インフォームド・コンセントを徹底します。
- 患者の自己決定権を尊重します。
- 生命倫理に関するガイドラインを遵守します。
- 個人情報保護に細心の注意をはらいます。
- 診療上の倫理的側面に関して検討が必要な問題については倫理委員会で審議を行います。
平成18年4月27日






















