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病院について

平成29年 年頭の辞

2017/01/01

最近は、伝統的な日本の正月行事、習慣を踏襲する家庭が減ってきたように思います。門松を飾る家は減りました。年賀状ももう出しませんいうご挨拶をいただく例が増えています。皆さんは初夢を見られたでしょうか。昔は1年の吉凶を初夢の内容で占う風習もあったようです。ところが今では、初夢といえば宝くじとか、デパートの大売り出しを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

ヒトは、一生の1/3に相当する時間を眠っています。大脳には右と左の半球がありますが、ヒトでは睡眠中は両半球が同時に眠りに落ちます。渡り鳥の中には、長時間飛び続ける種も珍しくありません。北アメリカから南アメリカに渡る鳥は、休みなく2週間飛び続けるそうです。このような渡り鳥やイルカ、クジラでは、左右の大脳半球が交互に眠っている(半球睡眠)のだろうと考えられて来ました。しかし3,000kmも飛び続けるグンカンドリに超小型の脳波計を装着した研究では、飛びながら左右の大脳半球が同時に短時間は眠っているという結果が報告されています。ヨーロッパアマツバメは、10ヶ月間1度も着地せずに飛び続けるといいます。この鳥は、春先にヨーロッパでヒナを育てますが、秋にアフリカに戻ると翌年まで飛び続けるとのことです。

覚醒しているという現象が、生理学的にはどのような過程にあるのかは非常に難しい問題です。哲学的な思考から、素粒子に及ぶ純粋な物質的な研究まで、幅広い分野で考察が加えられてきました。意識とは、視覚、聴覚など感覚器官から入力される無数の情報を統合処理し、特定の入力に注目するという過程であるという説が最近提唱されています。意識の中枢は脳のどこにあるのか、と長く探索されて来ました。哲学者のデカルトはおよそ400年近くも前に、松果体に意識の中枢があると唱えました。動物実験で得られたデータをヒトに反映させてもよいのかという点で、意識に関する科学的な実験は非常に難しい。現在科学的な実験データに裏付けられた唯一といってよい理論、統合情報理論(トノーニ)では、左右の大脳半球、それに視床のニューロンのネットワーク全体から主観的な意識経験が生じると考えられています。正月から難しい話に引きずり込みましたが、睡眠の役割は十分には解明されていません。覚醒時の脳の活動で貯まった老廃物を処理している、睡眠中に記憶を強固にするといわれて来ました。しかし最近では、余分な記憶をカットしているという説もあります。ヒトはなぜ夢を見るのでしょうか。夢の生理学的役割は、さらに明らかにはなっていません。

近畿中央病院全職員の夢は病院新築です。平成29年は、この夢を実現する年になりました。病院新築のためには、多くのステップが必要です。平成29年春までに基本計画・基本設計を終了します。引き続いて、建物の具体的な実施設計の段階に入る予定です。病院新築は、もちろん職員のために行うことが目的ではありません。医療の進歩に遅れを取らない、地域の患者さんから選んでいただける病院を建てることが目的です。

地域との連携を深め、地域に密着した病院運営をさらに進めたいと思います。本年もどうかよろしくお願い致します。

平成291

平成29年元旦 病院長 有田 憲生

 

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