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冬を乗り切るための感染対策

2021.11.10

医療コラム

インフルエンザ

症状

  • 急な高熱・悪寒戦慄・振戦・全身倦怠感や食欲不振など全身の症状がでやすい
  • 頭痛、筋肉・関節の痛み
  • 咽頭痛・鼻閉
  • 咳・鼻汁は、遅れてでる
  • 肺炎・中耳炎・脳症などの合併症
  • 高齢者(肺炎)、乳幼児(脳症)で死亡例
  • 慢性呼吸器疾患・心臓疾患などが危険因子

特徴

  • 一生のうち何度でもかかる(ウイルスの変異)
  • 感染力が強い
    ・体にウイルスが入ってから症状が出るまで短い
    ・潜伏期1~5日(平均3日)
    ・通常冬に地域的に流行をする
    ・小児は成人に比べ発症しやすい
    ・高齢者や慢性疾患患者は重症化しやすい
    ・本来自分の抵抗力で治る病気です

インフルエンザと風邪の違い

種類 インフルエンザ かぜ
発病 急激 比較的ゆっくり
症状の部位 強い倦怠感など全身的 喉や鼻など局所的
悪寒 強い 軽い
発熱 高い しばしば 39~40℃ 無いか あっても 37℃
からだの痛み 強い なし
重病感 あり なし
鼻・咽頭炎 全身症状に継続して起こる 先行して起こり、特徴的にみられる

重症化する危険が高い人

  • 高齢者
  • 幼児
  • 妊娠中の女性
  • 持病のある方
    ・喘息のある人
    ・慢性呼吸器疾患(COPD)
    ・慢性心疾患のある人
    ・糖尿病など代謝性疾患のある人など

感染経路

■飛沫感染
  • しぶきが鼻や口・のどに飛び込む 1~2m程度飛ぶ
■接触感染
  • しぶきがついた手でをいじる・をこする
  • 手すり・ドアノブ・つり革

家庭内での感染経路

予防法

  • 普段から健康に、元気にしておくことこそがインフルエンザや感染症を防ぐためには重要
  • 流行前のワクチン接種
  • 適度な温度・湿度の保持
  • 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
  • 咳エチケット(マスクの着用)
  • 外出後の手洗い
  • 人ごみを避ける

正しいマスクの着用方法

  • 鼻・口・あごを覆う
  • 鼻の部分を鼻筋に合わせる
  • ゴムで耳にしっかり固定する
    【ポイント】
    1. 鼻部分が鼻の角度に合っている
    2. あごまでマスクで覆っている
    3. 顔全体にフィットしているマスクを捨てた後は、手指にウイルスがついているので、手を洗う

このような症状があれば医療機関を受診しましょう

  • 呼吸困難または息切れがある
  • 胸の痛みが続いている
  • 3日以上熱が続いている
  • 脱水の可能性がある
    (嘔吐や下痢で水分が摂れないなど)
  • 異常な言動・けいれん・意識障害

家族がインフルエンザにかかったら

  • 患者さまを、できるだけ家族とは別の個室で静養させましょう。
  • 看護した後は、手洗い、うがいを徹底しましょう。
  • 患者さまだけでなく、看護する方もマスクを着用しましょう

治療

  • インフルエンザ治療の基本は安静と十分な睡眠
  • 高熱によって脱水症状にならないよう、しっかりと水分補給

抗インフルエンザ薬の服用

  • 症状の改善を1日ほど早める
  • 適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮される
  • 症状が出てから2日以上たってからの服用は十分な効果は期待できない
  • 服用しない場合もある

ワクチンの効果

  • 発症を防ぐ
    発症しないという意味ではない
    ワクチンを打っていても発症することはある
    ワクチンを打つことで相対的にリスクを減らすことができる
  • 肺炎などの重症化や死亡、入院などを防ぐ
  • 抗体獲得(効果が出る)までに約2週間かかり、効果は約5か月継続する

ワクチンの副作用

  • ワクチンを打っても、それが原因でインフルエンザにはなることはない
  • 注射した部分が痛くなったり腫れたりすることはある

ノロウイルス

感染経路

症状と特徴

  • 吐き気・嘔吐・水様性の下痢 (血便はない)
  • まれに、1日あたり20回以上の下痢のため、脱水症状になることもある。その場合、入院と点滴などの特別な処置が必要となることがある
  • 潜伏期 ⇒ 12~72時間
  • 感染力が強い
    (感染者の便1gで100万人を感染させられる)
  • 治癒 ⇒ 1~3日後に治癒 後遺症は残らない
  • 消毒用アルコールが効きにくい

消毒・除菌方法について

家庭にある次亜塩素酸ナトリウム溶液

  • 洗濯用 ワイドハイターは「酵素系漂白剤」×
  • 衣類用・キッチン用ハイターは「塩素系漂白剤」〇

 

■原液濃度5%の場合の作成方法(原液濃度10%の場合は希釈する際の原液を半分量にしてください)
容量 1000ppm(0.1%溶液) 200ppm(0.02%溶液)
使用場所 吐物・便 調理器具・床・
トイレのドアノブ・
便座・衣類の消毒
作り方 500mlのペットボトル

容器にキャップ軽く3杯の
ハイターを入れ、
水で希釈し500mlにする

2Lのペットボトル

容器にキャップ2杯の
ハイターを入れ、
水で希釈し2Lにする

次亜塩素酸ナトリウム溶液の注意点

  • ペットボトルはきれいな物を使用する
  • 他の薬品と混ぜない
  • 原液の濃度を確認する(5%と10%がある)
  • 希釈液は保管状態がよければ1ヶ月程度使用できる(冷暗所で保管する)
  • 食べ物のカスなどが残っている場合に、そのまま消毒しようとすると、著しく効果が落ちる

飛沫範囲

消毒すべき個所

  • 床もしっかりと消毒しましょう。
  • 手洗いシンクも忘れずに行いましょう。

衣類の消毒洗濯

  • ①つけおき (250 倍希釈)
    【バケツやタライなどを使う場合】水10リットル + ハイター 40cc (キャップ軽く 2 杯)
    【洗濯機を使う場合】水 50リットル + ハイター 200cc(キャップ軽く 8 杯)
  • ②30分間放置
  • ③洗濯
    ・漂白剤を捨てて洗剤を入れ普通に洗濯
    ・すすぎは念入りに2回以上
    ※手洗い不可のおしゃれ着は消毒後に中性洗剤でつけおき洗い

洗えない物の消毒

  • ①拭き取れる部分はすべて拭き取る
  • ②アイロンをかける部分に霧吹きで水を吹き付ける
  • ③アイロンのスチームを全開にする
  • ④アイロンを少し浮かせた状態1ヵ所あたり2分加熱する

食品の加熱処理

  • 中心部までしっかり加熱
  • 85~90℃ 90秒 以上の加熱

大きさは非常に小さい

  • ノロウイルスは他の細菌やウイルスに比べて小さい!
  • 手のしわに入り込みやすいのでしっかり2度洗いしましょう!

流水と石けんでの手洗い

  • 洗い残しが多い部位

スキンケアが必要な理由

間違った手洗いの代表例

  • 水やお湯で軽くすすぐだけ⇒細菌やウイルスを落とせない
  • 石鹸を使っても数秒で済ませてしまう⇒20~30秒程度の時間が必要
  • 手のひらだけ念入りに洗っている⇒洗い残しがある
  • お湯でゴシゴシ強くこすっている⇒手あれにつながる
  • 家族と共有のタオルで拭いている⇒菌の温床
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