不妊治療について

不妊症は決してめずらしいことではありません。
赤ちゃんが欲しいと思っているのに、なかなか妊娠しない場合には、一度ご相談してみることをお勧めします。
医師が担当する診療以外に「不妊相談」という相談枠を設けています。治療をしていくのか悩んでいる方、他院で治療をしているが夫婦間のこと、治療のことで悩んでいる方など、ゆっくりご相談させていただきます。

 

当院は、不妊治療以外の診察や治療も行っています。
不妊治療を希望し、初めてご来院される方とは、ゆっくりお話しできる時間を設けたいと思っております。
ご予約なしで当日受診して頂くことも可能ですが、その場合、待ち時間の発生やゆっくりお時間をお取りできない可能性がございます。
初診の方でも不妊治療に関しては、ご予約できる体制を整えております。
不妊治療に関しての受診や相談を希望される方は産婦人科外来までお問合せください。

不妊症について

不妊症とは

妊娠を希望する夫婦が夫婦生活を1年続けられても妊娠できない場合を定義として不妊症と言います。期間は1年間と言われていますが、当院では結婚年齢の上昇も考慮し、1年未満であってもご希望があれば検査や治療を行っています。
治療内容によっては、治療前に戸籍謄本や住民票などで夫婦関係の証明が必要な場合があります。

不妊症の原因

不妊症といっても、原因は様々です。
WHO(世界保健機関)が発表した不妊症の原因統計では、不妊症の原因は41%が女性、24%が女性・男性ともにあり、24%が男性、11%が原因不明となっています。
そのため、不妊症の検査は夫婦ともに受けることが望ましいとされています。

女性の主な原因

  • 卵巣:卵巣機能不全
  • 卵管:狭窄癒着、閉鎖、水腫
  • 子宮:筋腫、奇形、発育不全
  • 内分泌ホルモン異常
  • 子宮内膜症
  • その他

男性の主な原因

  • 精巣(睾丸):無精子症
  • 精路閉鎖
  • 性交障害
  • 内分泌ホルモン異常
  • その他

不妊症の原因の多くは、複数の原因が複雑に絡み合って不妊という症状が形成されています。不妊の原因として年齢も関係しており、年齢を重ねる毎に妊娠率は徐々に低下していきます。
赤ちゃんが欲しいのになかなか妊娠できないと思っている場合は、その期間にとらわれず、早めに相談しましょう。

不妊症の検査

不妊の原因が何かを調べるために、不妊検査を実施します。

当院で行っている検査

女性

基礎礎体温や内診、超音波検査、クラミジア検査、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査 等

男性

精液検査

検査の結果、原因のあるものには治療を行うことになります。
その原因が子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、卵巣嚢腫、卵管狭窄・閉鎖などであれば、手術をご提案することもあります。
また、当院に取り入れていない治療が必要な場合には、他院へご紹介することもあります。
また、当院では男性不妊に対しての治療は行っていません。そのため、精液検査の結果によっては、男性不妊専門の病院をご紹介することもあります。

 

不妊治療の方法

不妊治療には段階(step)があります。

不妊治療は大きく分けると、一般不妊治療と高度生殖補助医療の2つがあります。治療結果を見ながら、ご本人やパートナーのお気持ちを確認しつつ、それぞれの治療の妊娠率などを考慮し治療内容をstep upしていきます。

最初のStepで妊娠しない場合には、次のStepに進み、より効果のある治療を行います。
検査の結果によっては初めからStep3の治療を行う場合もあります。

Step upの希望がない方、いつからStep upしようと考えておられる方、治療終了の時期を決めておられる方、様々な思いがあると思います。
不妊治療を望む方へは、その方に合っているだろう治療のご提案をさせていただきますが、治療をするのはご本人やパートナーの方であることを前提に治療内容を決めるようにしていきます。特に、高度生殖補助医療に関しては、助成制度があるとはいえ自費診療となりますので、経済状況も含めて治療を進めていくのかを考えていただく必要があります。

一般不妊治療

タイミング療法

排卵の直前がもっとも妊娠しやすい時期と言われています。排卵日を予測して夫婦生活のタイミングを指導する方法です。

人工授精

排卵のタイミングに合わせて精子を人工的に子宮内に送り込み妊娠を期待する方法です。
当院では人工授精に際しては精液を洗浄しています。洗浄した精子を用いることで精液に含まれた不純物を取り除くことができ、通常の夫婦生活より妊娠率が高まります。

  • 一般不妊治療では、不妊の原因に合わせて薬剤を使用します。
  • タイミングや人工授精は排卵に合わせる必要があります。
  • 超音波検査で卵巣や子宮の状態を確認し、排卵日を推定します。

高度生殖補助医療

体外受精や顕微授精のことをいいます。
卵巣から成熟した卵子を取り出し、精子と体外で受精させ、受精した受精卵を子宮に戻す方法です。
体外受精と顕微授精は受精の方法に違いがあります。

 

体外受精

卵子と精子を混ぜ合わせ、自然の力に任せて受精させる方法です。

顕微受精

顕微鏡下で1つの精子を卵子へ直接注入する方法です。

不妊治療の流れ

① 妊娠を希望されたらご予約を
ご予約をお取りします。産婦人科外来までご連絡ください。
ご予約なしで当日受診も可能ですが、その場合、待ち時間が発生します。また、ゆっくりお時間を作れない場合もございます。ご予約された上で来院されることをお勧めします。
② 受診
赤ちゃんが欲しいと思うようになった時期、相談しようと思ったきっかけ、今までの治療歴などをお伺いし、治療内容や方向性等のご相談をさせていただきます。
当院の不妊看護認定看護師が行っている不妊相談もご案内させていただきます。
③ 一般不妊検査
当院で行っている検査(超音波検査、クラミジア検査、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査 等)をご本人さんと相談の上、実施させていただきます。
初診時に行える検査と後日受診して行う検査があります。
受診された際、医師とご相談ください。
④ 一般不妊治療(タイミング療法・人工授精)

1.⽉経初期(医師が指定した時期)受診

⽉経開始後、当院へ連絡していただき受診⽇をご予約します。
超⾳波検査を⾏い、卵巣や卵胞の状態を確認します。
必要に応じて排卵誘発剤を使⽤します。
注射の場合は、排卵の検査までに注射を打つために通院の必要があります。

2.排卵の頃 受診

超⾳波検査を⾏い、排卵がいつ頃起こりそうか確認します。
必要に応じてホルモン検査を⾏う場合もあります。
排卵を促す注射を⾏う場合もあります。

3.⼈⼯授精のための受診

排卵に合わせてタイミングをとっていただきます。
排卵に合わせて⼈⼯授精のために受診していただきます。

4.排卵後 受診

超⾳波検査にて排卵確認します。
必要に応じて薬剤を処⽅いたします。

⑤ 高度生殖補助医療(体外受精・顕微授精)
初めて高度生殖補助医療を受けられる場合、医師より治療内容等についてご説明する機会を設けております。
高度生殖補助医療の治療の流れについては個別対応となります。

#