公立学校共済組合 近畿中央病院
新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
昨年も変異ウィルスの出現、拡散によって新型コロナウィルスの波状流行が続きました。ワクチン接種が広まった効果か、ウィルス自体の弱毒化の影響か、重症患者は減少し世間では当初ほどの危機感は薄れているように感じます。しかしながらウィルスの感染力はむしろ強まっており年末年始は第8波流行のさなかで、インフルエンザとの同時流行の発生も懸念されています。感染症対応に尽力する日々が今年も続きそうです。
昨年には市立伊丹病院との統合新病院建築工事の入札が行われました。結果は3月、10月と2回入札不調に終わりました。コロナパンデミック、ウクライナ問題、為替変動などの情勢変化によって急激な価格上昇が生じたことが背景にあると分析されます。目下、再々入札に向けて伊丹市に鋭意対応いただいております。今後の状況にもよりますが、当初予定していた2025年度の統合新病院開院予定が1年程度先に延びることになります。統合に向けた準備期間が延長され周到な準備ができると理解して、本年は統合準備作業を地道に積み重ねていくようにいたします。
さて、今年は兎年です。長い耳、くりっとした眼、そして後ろ足でぴょんぴょん跳ねる姿は愛嬌があり親しみがわきます。「脱兎のごとく」という言葉に使われるように、ウサギは素早く動くことが知られています。ウサギは小型の草食動物であり、大きな肉食動物から逃れるには適した能力です。ウサギが登場するイソップ寓話の有名な話は、「ウサギとカメの競争」です。同時に出発したがウサギは俊足で先行して余裕綽々で途中で居眠りをした結果、目を覚ました時にはカメがゴールに着いていたという、皆さんよくご存じの話です。自信過剰を戒め、油断大敵を子供に教えるのに適したお話しです。また、カメの立場からは、ゆっくりでもコツコツ努力を続けることが最後に勝利を生むという教えにもなります。医療安全、感染対策、日々の診療、あらゆる場面で、ちょっとした気のゆるみは大事故につながるため油断大敵です。また、日々の地道な努力の積み重ねがとても重要であることも言うまでもありません。兎年の初めにあたって、あらためて肝に銘じたいと思います。
新年を迎え職員一同が気持ちを新たにして、患者さんをはじめ、公立学校共済組合組合員、地域の先生方のお役に立てるように、より一層の努力をしてまいります。本年春には当院でも新たにロボット手術を開始します。近畿中央病院はこれまでと変わりなく、いやこれまで以上に診療体制を充実させていく所存です。本年も公立学校共済組合近畿中央病院をよろしくお願いします。
令和5年1月
病院長 甲村英二